コーヒー豆かすから作ったバイオ燃料でコーヒー豆を焙煎
循環型リサイクルで「コーヒー2050年問題」を解決へ
1. 本件のポイント
- コーヒー豆かすを原料にした「バイオコークス」でコーヒー豆を焙煎、環境に配慮した商品を開発
- 地球温暖化による「コーヒー2050年問題」の対策となる、コーヒー豆かすの循環型リサイクル
- 本商品を選ぶことで、消費者も「コーヒー2050年問題」解決とSDGs達成に貢献
2. 本件の概要
コーヒーを抽出した後に残るコーヒー豆かすは、その多くが産業廃棄物として処理されています。近畿大学と石光商事株式会社は、コーヒー豆かすを原料としてバイオ燃料「バイオコークス」を製造し、それを燃料として焙煎したコーヒー「Global Goals Coffee」を共同開発しました。
近畿大学が研究・開発したバイオコークスは、植物由来の廃棄物を原料とする固形燃料で、植物由来エネルギーであるため利用時のCO2排出量がゼロカウントとなります。
石光商事株式会社は、このコーヒー豆かすの循環型リサイクルを通じてコーヒー工場のCO2排出削減をめざします。
3. 開発の背景と今後の展開
コーヒー業界は、地球温暖化などの気候変動の影響でコーヒー豆の生産量が激減する「2050年問題」に直面しています。
今後も持続的に美味しいコーヒーを飲むためにいま何をすべきか、業界各社はもちろん、生産者や消費者も考えて行動することが求められています。
また、国連サミットで採択されたSDGs(持続可能な開発目標)についても、コーヒー業界として「エネルギー」「成長・雇用」「気候変動」「陸上資源」など、さまざまな項目で対応が必要となっています。
石光商事株式会社は、近畿大学と取り組むコーヒー豆かすの循環型リサイクルを、地球温暖化対策の一つとしてコーヒー業界に広めたいと考えています。さらに、コーヒーを愛する消費者にも「2050年問題」を知っていただき、コーヒー豆かすのバイオコークスで焙煎されたコーヒーを選ぶことで、その問題解決やSDGs達成に消費者自らが貢献できるようにしたいと考えています。
4. バイオコークスについて
コーヒー豆かす、茶殻、食品残さ、間伐林などの「バイオマス(再生可能な、生物由来の有機性資源)」を原料として製造する固形燃料。
平成17年(2005年)に、近畿大学バイオコークス研究所所長の井田民男氏が開発しました。光合成を行う植物資源等を100%原料にしているため、CO2排出量ゼロで環境に配慮したエネルギーとして期待されています。