4/25は世界マラリア・デー

本日、4/25は世界マラリア・デー。2007年にWHOがマラリア対策推進のためにはじめました。WHOはマラリア蔓延地区に殺虫剤DDTの室内散布を推奨し、成果を上げましたが、2008年に発生したコーヒーの残留農薬問題をきっかけにマラリアに苦しんでいる国の1つであったエチオピアがその使用を止めるという事態になってしまいました。

当時、私はJETROからの依頼を受け、この問題の調査をおこない、相次ぐ基準値を超えの原因がコーヒーの国内輸送に使用していた麻袋の高濃度汚染であることを突き止めました。これだけであればエチオピアけしからん!で終わる話なのですが、高濃度汚染を招いた農薬が、日本を含む先進国が放棄したものであること、基準値超えとはいえ、健康リスクが全くない濃度に対してNGを出し続けたこと、などを知ってしまうと責任を感じざるを得ません。

エチオピアは世界の最貧国の1つでした。同国の外貨獲得の1番の手段はコーヒーの輸出、日本は最大の輸出先でした。2008年から数年の間に起こったことをまとめます。
・私たち日本は安全性に全く問題がないのに、エチオピアのコーヒーを拒み続け、同国は2年以上苦しみました。
・基準値超えの遠因は私たちが廃棄した農薬でした。
・日本の厳しい基準をクリアするために、餓死者が出るような国で高価な分析機器による分析が始まりました(日本は費用を支援してはいますが)。
・違反をつくった農薬の1つであるDDTの使用が、コーヒー栽培エリアから遠く離れたマラリア汚染地域を含む全土で禁止され、マラリアで苦しむ方が増えました。

今日この日は、正しく識り、正しく怖がることの大切さを考える日であってほしいと思います。当時の講演、論文などは検索していただくといろいろ出て来ますが、1つ講演の動画を共有させていただきます。